閲する(読み)ケミスル

デジタル大辞泉 「閲する」の意味・読み・例文・類語

けみ・する【閲する】

[動サ変][文]けみ・す[サ変]
調べる。見て確かめる。あらためる。「対日関係の文献を―・する」
「店々の窓に曝せる仮粧の衣類を―・しつ」〈鴎外訳・即興詩人
年月を過ごす。経る。「郷里を出て20年の歳月を―・した」
[類語](1検する調べるえっする改める検査する点検する検分する吟味する実検する臨検する検閲する査閲する監査する調査するチェックする/(2経つ過ぎる経る移る過ぎ去る過ぎ行く経過

えっ・する【閲する】

[動サ変][文]えっ・す[サ変]
読む。目を通して調べる。「下刷りを―・する」
経過する。けみする。
「其の後三箇月を―・して」〈中村訳・西国立志編
[類語]調べる検するけみする改める検査する点検する検分する吟味する実検する臨検する検閲する査閲する監査するチェックする

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「閲する」の意味・読み・例文・類語

けみ‐・する【閲】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]けみ・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 見る。調べ見る。改める。検閲する。
    1. [初出の実例]「大きに菟道(うぢ)に閲(ケミ)す」(出典:日本書紀(720)天智四年一〇月(北野本訓))
    2. 「爰に至りて疑なき千歳の記念、今眼前に古人の心を閲す」(出典:俳諧・奥の細道(1693‐94頃)壺の碑)
  3. 調べ読む。閲覧する。
    1. [初出の実例]「日本永代蔵、本朝町人鑑、世の人心、これを三部の書と名づく。尤商職人の閲(ケミ)するに日用世をわたるたつきに」(出典:浮世草子・西鶴織留(1694)序)
  4. 経る。過ごす。経過する。
    1. [初出の実例]「閲世とは久しい心ぞ。東坡が詩に閲世堂と云も久しい心ぞ。又けみしてともよまふぞ」(出典:寛永刊本江湖集鈔(1633)四)
    2. 「その持論、歳月を閲(ケミ)するに随ひ開拓拡充せり」(出典:西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉二一)

えっ‐・する【閲】

  1. 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]えっ・す 〘 他動詞 サ行変 〙
  2. 間違いの有無などを調べる。けみする。
    1. [初出の実例]「えつし給へ、男女席を同じうせず」(出典:滑稽本・戯場粋言幕の外(1806)下)
  3. 書物などに目を通す。
  4. 年月など時間が経過する。
    1. [初出の実例]「閲臈禅庭栢、観空法界蕉」(出典:経国集(827)一〇・和惟逸人春道秋日臥疾華厳山寺精舎之作〈嵯峨天皇〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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