闘争(読み)とうそう(英語表記)conflict

精選版 日本国語大辞典 「闘争」の意味・読み・例文・類語

とう‐そう ‥サウ【闘争】

〘名〙
相手を倒そうとして争うこと。うちあい。争闘
権記‐長保二年(1000)七月二五日「帯弓箭者数多出来闘争、即寧親郎等被疵」 〔韓非子顕学
② 特に社会運動労働運動などで、階級主義の異なる者同士が争うこと。多く、被支配者階級からの働きかけをいう。〔模範新語通語大辞典(1919)〕

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デジタル大辞泉 「闘争」の意味・読み・例文・類語

とう‐そう〔‐サウ〕【闘争】

[名](スル)
相手に勝とうとして争うこと。争闘。「闘争本能」「武力闘争
社会運動や労働運動などで、権利要求を獲得するために争うこと。「賃上げを要求して闘争する」「階級闘争
[類語](1争い喧嘩紛争諍いいがみ合い立ち回り大立ち回り抗争暗闘争闘共闘ゲバルト戦う/(2労働争議春闘争議

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「闘争」の意味・わかりやすい解説

闘争
とうそう
conflict

人間相互の対立関係の一形式。闘争と競争とが考えられ,当事者相互が相手を否定する点では両者は同一であるが,競争は目標そのものを志向するのであって,間接的に相手を否定するにすぎないのに対して,闘争は直接的に相手を否定する点で異なっている。戦争私闘論争などが闘争の形式である。決闘のような個人レベルのものから,階級闘争民族闘争,国家間戦争にいたる多様なものがあり,また,文化闘争経済闘争権力闘争など,内容面でも多岐にわたる。

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世界大百科事典 第2版 「闘争」の意味・わかりやすい解説

とうそう【闘争 conflict】

特定の個人や集団,あるいは階級,民族,社会など複数の行為主体の間で,ある主体が――たとえば自己の目標達成を阻害するとか自己の感情と相いれないとか,自己にとってなんらかの妨げとなる(もしくは妨げになると思われる)――他の主体それ自体を排除したり他の主体の行為を妨害し停止させるという意図のもとで,相互に両極的な形をとって対立しあう相互作用形態をいう。たとえば国家間の戦争,学問上の論争,法廷での訴訟などがそれである。

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世界大百科事典内の闘争の言及

【コミュニティ】より

…それを抽出することによって,より高い抽象度をもったコミュニティまたは共同体という用語の意味内容ばかりでなく,コミュニティ(共同体)がいかなる条件に支えられて生み出されるかという点についても理解を深めることができる。 第1に指摘できることは,連帯と闘争との相互増殖性という点である。闘争が連帯を生む。…

※「闘争」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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