精選版 日本国語大辞典 「阮籍」の意味・読み・例文・類語
げん‐せき【阮籍】
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中国、三国魏(ぎ)の文人。字(あざな)は嗣宗(しそう)。陳留郡尉氏(河南省)の人。「竹林(ちくりん)の七賢」の領袖(りょうしゅう)として知られている。後漢(ごかん)の名門豪族の出身。父の阮瑀(げんう)(?―212)は、建安七子の一人で、曹操(そうそう)に仕えた。阮籍の酒と奇行の自己韜晦(じことうかい)は、老荘思想をバックボーンにしているが、内的苦渋にまみれたものであった。魏末社会は、のちに晋(しん)の王室を開く司馬氏の勢力がしだいに拡大し、王朝交代に伴う政治的危機が噴出した。司馬氏は阮籍に対して好意的であり、彼も歩兵校尉の官についたりしたが、権力を巡る人間の醜悪は、阮籍の絶望感を深め、老荘思想への根源的な到達を促した。「大人(たいじん)先生伝」や「達荘論」はその思想的著作であり、後世の連作詩の先駆となった「詠懐詩」八十数首は孤独な魂の表白である。
[成瀬哲生 2016年1月19日]
『松本幸男著『阮籍の生涯と詠懐詩』(1977・木耳社)』▽『吉川幸次郎著『阮籍の「詠懐詩」について』(岩波文庫)』
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…何晏や王弼の学風は,かれらが正始時代(240‐248)に活躍したところから〈正始の音〉とか〈正始の風〉とかよばれて後世の清談家たちから慕われたが,その一方,西晋の裴頠(はいき)の〈崇有論〉や東晋の王坦之の〈廃荘論〉はかれらの哲学的立場を批判し,また東晋の范寧(はんねい)の〈王弼何晏論〉は,仁義礼楽の破壊者として2人の罪をそしった。何晏や王弼にややおくれてあらわれた竹林の七賢(七賢人)の巨頭である阮籍(げんせき)は《通易論》《通老論》《達荘論》等を,おなじく嵆康(けいこう)は《釈私論》《声無哀楽論》等を著して,老荘的自然の立場から儒家的名教をするどく批判した。これら玄学者たちがとりあげたテーマは,たとえば〈声無哀楽論〉や〈言不尽意論〉のように,清談家の哲学的談論にとりあげられた場合がすくなくない。…
…世に〈建安文学〉とよばれるこの時期こそ,詩史上の画期とみなすべきである。〈建安〉の詩人たちに続いて現れたのは,〈竹林の七賢〉の領袖であった阮籍(げんせき)と嵆康(けいこう)である。彼らの生きた時代は,司馬氏が魏を簒奪して西晋を興す時期に当たるが,その詩は当時の暗い世相を背景に,真摯(しんし)な深い思索に裏打ちされた哲学的なものであった。…
…ローマ帝国時代には,個々の賢人や七賢人全員の肖像をモザイクや壁画に描くことが流行した。【藤縄 謙三】(2)中国,三国魏の末期,放達の行為で知られた7人の自由人,すなわち阮籍(げんせき),嵆康(けいこう),山濤(さんとう),王戎(おうじゆう),向秀(しようしゆう),阮咸(げんかん),劉伶(りゆうれい)。一般に〈竹林の七賢〉とよばれるのは,嵆康の郷里の山陽(江蘇省淮安県)の竹林にあつまって酒をくみかわし,談論にふけったからである。…
…中国,晋の阮籍(げんせき)(210‐263)の《大人先生伝》に描かれた道家的哲理の体得者。天地造化と一体となり何ものにもとらわれない“道”の世界に飛翔する大人先生は,儒教的倫理や世俗的価値観にとらわれて真の人生の何たるかを見失いながら,みずからは悟らず得々として恥じない名教の徒を褌(ふんどし)の中を世界のすべてと心得るシラミにたとえて否定しさるが,それは当時の世相に対する阮籍の鋭い批判でもあった。…
…この800年間で最大の長編物語詩《孔雀(くじやく)東南飛》も建安年間の作といい,五言詩の成熟を示す。魏の阮籍(げんせき)は〈詠懐詩〉82首において,その疑問をさらにつきつめた形で提出し,いっそう思索的な孤独の詩人で独自の風格を有した。その後も詩人は続々出て,技巧はますますみがかれ,典故は多く用いられ,対句の構成も増加する。…
※「阮籍」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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