阿蘇家文書(読み)あそけもんじょ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「阿蘇家文書」の意味・わかりやすい解説

阿蘇家文書
あそけもんじょ

肥後(熊本県)一宮(いちのみや)阿蘇神社(阿蘇市)の神主家に伝来した古文書。原文書は10点の神社文書と351点の家文書(いえもんじょ)に分けられ、家文書は36冊の写本とともに今日では大部分が熊本大学の所蔵となっている(34巻に成巻)。平安末期から江戸時代に及び、社領や神事関係のほか、南北朝期の阿蘇氏の動きを中心として九州の政治情勢にかかわる史料が多い。『大日本古文書 家わけ』に『阿蘇文書』(全3巻)として、別当寺(べっとうじ)の西巌殿寺(さいがんでんじ)文書などとあわせて刊行されている。

[工藤敬一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

南海トラフ臨時情報

東海沖から九州沖の海底に延びる溝状の地形(トラフ)沿いで、巨大地震発生の可能性が相対的に高まった場合に気象庁が発表する。2019年に運用が始まった。想定震源域でマグニチュード(M)6・8以上の地震が...

南海トラフ臨時情報の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android