陰性(読み)インセイ

デジタル大辞泉 「陰性」の意味・読み・例文・類語

いん‐せい【陰性】

[名・形動]
消極的で、陰気なこと。内にこもっている感じであること。また、そのさま。「陰性な人」⇔陽性
「この―の憤怒ほとばしり出るはけ口をもたなかった」〈里見弴・今年竹〉
医学検査などで、ある刺激に対して反応のないこと。陰性反応であること。⇔陽性
[類語]陰気内向陰気臭いしんねりむっつり

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精選版 日本国語大辞典 「陰性」の意味・読み・例文・類語

いん‐せい【陰性】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 事物の本質、現象を陰陽に分けた時に、陰に属するもの。また、その特性、働き。⇔陽性
    1. [初出の実例]「虚の体よく天を成し、実の体よく地を成し、然ふして其陰性、無際涯より内に収めて地を結び」(出典:多賀墨郷君にこたふる書(1777))
    2. [その他の文献]〔申鑒‐雑言下〕
  3. ( 形動 ) 消極的で陰気な性質。いんしょう。⇔陽性
    1. [初出の実例]「Een koudvoltig man 陰性ノ人」(出典:和蘭字彙(1855‐58))
  4. ( 形動 ) うちにこもった感じ。⇔陽性
    1. [初出の実例]「一種異様な陰性の痛みで、何とも云はれぬ不快な心持がする」(出典:煤煙(1909)〈森田草平〉一一)
    2. [その他の文献]〔後漢書‐郎顗伝〕
  5. 生物学で、動植物外界の刺激に対して、これを避けたり、また反対の方向に動く性質をいう。
  6. 化学で、原子が陰イオンになりやすいこと。また、原子が他の原子と結びつくとき、電子を引きつけやすいこと。⇔陽性。〔稿本化学語彙(1900)〕
  7. いんせいはんのう(陰性反応)」の略。
    1. [初出の実例]「ツベルクリン反応をくりかえし、それが陰性から陽性にかわるところをみつけ」(出典:赤ん坊の科学(1949)〈松田道雄〉七)

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