険難(読み)ケンナン

デジタル大辞泉 「険難」の意味・読み・例文・類語

けん‐なん【険難/×嶮難】

[名・形動]
道などが非常にけわしく、通過するのに困難なこと。また、そのさま。「―な箇所」「―の道」
苦しみ悩むこと。また、そのさま。苦難。「―をしのぐ」
[類語]険しい険阻険峻けんしゅん峻険しゅんけん急峻きゅうしゅん要害天険険要険所峻峭峻抜峻岳峻峰峻嶺高峰高嶺奇峰

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精選版 日本国語大辞典 「険難」の意味・読み・例文・類語

けん‐なん【険難・嶮難】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 道や地勢などがけわしく、進むのに困難なこと。また、そのさま。険阻。険峻。
    1. [初出の実例]「山川遠隔、道路嶮難」(出典:続日本紀‐和銅六年(713)九月己卯)
    2. 「いかんが歩を嶮難(ケンナン)の路にはこばん」(出典:高野本平家(13C前)二)
    3. [その他の文献]〔楚辞‐九歌・山鬼〕
  3. 苦しみ悩むこと。困難なこと。その苦しみや困難。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「貞盛は既に多年の険難を歴て今、兇怒の類を誅せり」(出典:将門記(940頃か))
    2. [その他の文献]〔春秋左伝注‐閔公元年〕

けん‐のん【険難・剣呑】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ( 「けんなん(険難)」の変化した語という。「剣呑」はあて字 ) 危険だと思うさま。また、どうなることかと不安であるさま。危険。
    1. [初出の実例]「化の皮が、あらはれんと、しきりにけんのんに思ひ」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)初)
    2. 「さう安ぽい直ぐ欄(てすり)の倒れるやうな険呑(ケンノン)なものは」(出典:酒中日記(1902)〈国木田独歩〉五月八日)

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普及版 字通 「険難」の読み・字形・画数・意味

【険難】けんなん

けわしい路。〔楚辞九歌山鬼〕余(われ)幽篁(いうくわう)(深い籔)に處(を)りて、(つひ)に天を見ず 路、險にして、獨り後(おく)れて來(きた)る

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