随喜(読み)ズイキ

デジタル大辞泉 「随喜」の意味・読み・例文・類語

ずい‐き【随喜】

[名](スル)
仏語他人のなす善を見て、これに従い、喜びの心を生じること。
ありがたく思い、大いに喜ぶこと。「随喜して迎える」
[類語]喜ぶ喜び歓喜狂喜驚喜欣喜雀躍有頂天うれしがる・喜悦する雀躍する小躍りする浮かれるはしゃぐ満悦愉悦祝い祝賀喜色歓心大悦恐悦法悦愉楽悦楽愉快大喜び糠喜び空喜び

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精選版 日本国語大辞典 「随喜」の意味・読み・例文・類語

ずい‐き【随喜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 仏語。他人のなす善を見て、これにしたがい、喜びの心を生ずること。転じて、大喜びをすること。
    1. [初出の実例]「第二拠随喜功徳覓」(出典法華義疏(7C前)四)
    2. 「王聞きて随喜し、坐より起ち長跪(ひざまづ)きて、拝して曰く」(出典:日本霊異記(810‐824)中)
    3. [その他の文献]〔法華経‐随喜功徳品〕
  3. ( から転じて ) 法会などに参加、参列すること。
    1. [初出の実例]「その日藤氏の殿ばら、かつはずいきのため、聴聞の故に残りなく集ひ給へり」(出典:栄花物語(1028‐92頃)うたがひ)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「随喜」の意味・わかりやすい解説

随喜
ずいき

他人が善いことをするのをみて、これに従い、喜ぶこと。『法華経(ほけきょう)』では、この経を聞いて随喜し、教えを伝える功徳(くどく)を力説し、『大智度論(だいちどろん)』では、善を行った本人より、それを随喜した者のほうの功徳がまさっていると説いている。天台宗では滅罪修行として懺悔(さんげ)する五悔(げ)の一つに数える。転じて、仏教儀式に参列することをいう。さらに大喜びすることをいい、「随喜の涙を流す」などと用いられる。

[石上善應]

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普及版 字通 「随喜」の読み・字形・画数・意味

【随喜】ずいき

人の善根を喜んで帰依すること。

字通「随」の項目を見る

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「随喜」の意味・わかりやすい解説

随喜
ずいき

仏教用語。 (1) 人の善を見て,それに従い喜ぶこと。 (2) 天台法華三昧を修習するときの5種の懺悔方法の一つ。

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