隔たる(読み)ヘダタル

デジタル大辞泉 「隔たる」の意味・読み・例文・類語

へだた・る【隔たる】

[動ラ五(四)]
間に距離があって離れる。また、距離ができて離れる。遠ざかる。「約10キロ―・っている」
間に物があって遮られる。「両県は山脈で―・る」
時間的に離れる。また、年月が過ぎる。月日がたつ。「今を―・る百年の昔」
物事の間に開き、違いがある。「双方実力はかなり―・っている」
関係がうとくなる。疎遠になる。「心が―・る」
[類語]かけ離れる飛び離れる離れる遠ざかる遠のく離隔する隔絶する遊離する乖離かいりする去る出るける外すあとにする分かれる割れる外れる分離離脱分裂分解解体独立分ける分割四分五裂切り離す断ち切るちぎれる張り裂ける

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精選版 日本国語大辞典 「隔たる」の意味・読み・例文・類語

へだた・る【隔】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 間に距離、また、山や川などのさえぎるものがあって離れている。転じて、遠ざかる。離れる。
    1. [初出の実例]「情ゆも吾は思はずき山河も隔(へだたら)なくにかく恋ひむとは」(出典万葉集(8C後)四・六〇一)
    2. 「霧ひとへへだたれるやうに」(出典:更級日記(1059頃))
  3. 間に時間があって離れている。月日が立つ。年月が過ぎる。
    1. [初出の実例]「月日もへたたりぬるに」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  4. 関係がうとくなる。疎遠になる。
    1. [初出の実例]「御中もへだたりぬるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
  5. 質や等級に差異がある。また、物事の間にある違いがある。
    1. [初出の実例]「かねて想像してゐた所を、あまりに隔(ヘダ)たってゐたので」(出典:長谷川君と余(1909)〈夏目漱石〉)
  6. 二者の間にさえぎってはいる。
    1. [初出の実例]「主を討たせじと中にへたたり、斎藤別当にむずと組む」(出典:高野本平家(13C前)七)

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