(読み)ザツ

デジタル大辞泉 「雑」の意味・読み・例文・類語

ざつ【雑】

[名]いろいろなものが入りまじっていること。区別しにくい事柄を集めたもの。「の部」「収入」
[形動]大まかで、いいかげんなさま。ていねいでないさま。粗雑。粗末。「仕事」「に扱う」
[類語]杜撰雑駁乱暴粗末粗略荒い粗い荒っぽい手荒い手荒力尽く力任せ強引無茶粗笨そほん粗雑ぞんざいいけぞんざいラフ荒荒しいがさつ粗野粗削り生硬粗放大ざっぱ大掴み大まか丼勘定劣悪劣等粗末お粗末粗悪低劣不出来貧弱不良出来損ないちゃち役立たず粗粗あらあら粗らかざっとおよそおおよそおおむねあらかたあらまし

ざつ【雑〔雜〕】[漢字項目]

[音]ザツ(慣) ゾウ(ザフ)(呉) [訓]まじる まざる まぜる
学習漢字]5年
〈ザツ〉
入りまじる。まとまりがない。「雑然雑踏雑駁ざっぱく混雑錯雑煩雑複雑乱雑猥雑わいざつ
主要でない。いろいろの。「雑貨雑穀雑費雑務
精密でない。「粗雑
〈ゾウ〉
入りまじる。「雑炊雑煮
主要でない。いろいろの。「雑木ぞうき雑巾ぞうきん雑兵ぞうひょう
[名のり]かず・とも

ぞう〔ザフ〕【雑】

和歌歌題分類の一。四季・恋などの部に属さないもの。歌集では雑歌ぞうか、またはそれを集めた部をいう。
連歌俳諧で、無季付句

ぞう【雑】[漢字項目]

ざつ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「雑」の意味・読み・例文・類語

ざつ【雑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) いりまじること。いりまじりあつまること。純粋でないこと。また、そのものやさま。〔詞葉新雅(1792)〕
  3. ( 形動 ) 精密でないこと。ぞんざいなこと。大まかなこと。また、そのものやさま。粗雑。
    1. [初出の実例]「其学精密森秀、博而不雑」(出典随筆・孔雀楼筆記(1768)序)
    2. 「雨天体操場のやうな雑(ザツ)な大な建物の中に」(出典:暗夜行路(1921‐37)〈志賀直哉〉三)
  4. ( 形動 ) 礼儀をわきまえないで、細かい心くばりをする態度にかけていること。不作法なこと。がさつなこと。また、その人やさま。
    1. [初出の実例]「おゐらはだたい職人だからとんだざつだによって」(出典:洒落本・南閨雑話(1773)怖勤の体)
  5. むだぐち駄弁冗談
    1. [初出の実例]「『ほていやでござります』『ていしのはらはさぞ大きかろふのふ』『ざつをいひこなし』」(出典:洒落本・呼子鳥(1779)品川八景)
  6. あやまち。粗相
    1. [初出の実例]「小ま物みせのさつは、見物がかほをしかめて」(出典:洒落本・客者評判記(1780)立役之部)
  7. 歌集などの部立で、いろいろな性格や種類の歌を集めた部分。雑歌(ぞうか)

ぞうザフ【雑】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ( 形動 ) 入りまじること。純粋でないこと。また、そのものやそのさま。ざつ。
  3. 連歌や俳諧で、四季に属さない語。季語でないことば。また、季語をもたない句。
    1. [初出の実例]「鳥巣 春也。水鳥巣夏也。鷹巣も夏也。鶴巣は雑也」(出典:連歌初学抄(1452頃))
  4. ぞう(雑)の歌」「ぞう(雑)の題」の略。
    1. [初出の実例]「恋の哥などをば雑や季の哥などにて、しかもその哥をとれるよと、きこゆるやうによみなすべきにて候」(出典:毎月抄(1219))

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