精選版 日本国語大辞典 「零落」の意味・読み・例文・類語
れい‐らく【零落】
〘名〙
① 落ちること。草木の花や葉が枯れ落ちること。散り落ちること。
② おちぶれること。貧しくなること。おちぶれて地方にさまようこと。
※三教指帰(797頃)下「的皪貝歯、添レ露而咸零落」
※源平盛衰記(14C前)一四「源家は運衰へて諸国に零落(レイラク)し」 〔管子‐軽重己〕
③ 死ぬこと。死去。
※凌雲集(814)「久在二外国一晩年帰学、知旧零落已無二其人一〈林娑婆〉」 〔曹丕‐与呉質書〕
④ 土地、建物などが荒れ果てること。荒廃すること。さびれること。また、器具・文書などが破損したり、散佚したりすること。
※家伝(760頃)上「先従壬申乱離已来、官書或巻軸零落、或部帙欠少」
⑥ 乏しくなること。なくなること。
こぼれ‐お・ちる【零落】
〘自タ上一〙 こぼれお・つ 〘自タ上二〙
① 水、涙などがあふれて落ちる。流れ落ちる。
② 物があふれて落ちる。はみ出て落ちる。
※二人の友(1960)〈庄野潤三〉四「積んでいるトラックからこぼれ落ちるのもあるだろう」
③ 花や葉などが散って落ちる。散乱する。
※枕(10C終)一九九「風のいとさわがしく吹きて、黄なる葉どもの、ほろほろとこぼれおつる、いとあはれなり」
⑤ 今までの主従関係を離れる。
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