精選版 日本国語大辞典 「電力」の意味・読み・例文・類語
でん‐りょく【電力】
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単位時間に電流によってなされる仕事量.単位としてはワット(W)が用いられる.直流電流Iによって抵抗R中で消費される電力Pは,抵抗の両端に加わる電圧をVとすると,
P = VI = RI 2
で表され,ジュール熱として抵抗中で失われる.交流の場合には,回路に交番電圧
e = E sin ωt
が加えられ,そのとき流れる交流電流が
i = I sin (ωt - φ)(φ:位相角)
であるとき,
P = ei = EI sin ωt sin(ωt - φ)
を瞬間電力といい,これを交流の一周期Tにわたって平均した値を平均電力という.
ここで,
Ee = E/,Ie = I/
.
Ee および Ie はそれぞれ電圧および電流の実効値であるが,EeIeのことを皮相電力,EeIe sinφを無効電力,EeIe cosφを実効電力という.皮相電力中,実際に有効に使われる電力は,実効電力の部分だけであるので,後者の前者に対する比を力率といい,実用電気機械では力率が大きくなるよう工夫されている.ある時間にわたって積算した電力の値は積算電力とよばれ,ワット時(W h),キロワット時(kW h)単位で表されるが,一般にはこの値を単に電力とよぶこともある.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
1秒間に行う電気的仕事をいう。一般に1秒間に行う仕事を仕事率というのに対し、電気工学では電力という術語を使っている。直流回路の抵抗の両端に電圧を加えると、抵抗中を電流が流れる。これは電界によって荷電粒子(多くの場合電子)が力を受けて動く現象で、エネルギーを消費する。このエネルギーは電源から供給されたものであり熱に変わる。この場合の仕事率すなわち電力は、電流の2乗と抵抗の積に等しい。これは抵抗の両端の電圧と抵抗を流れる電流の積に等しい。交流回路の場合は電圧、電流ともに変化しているので、1周期の平均を電力といい、電圧、電流に実効値を用いれば、直流の場合の関係がそのまま成り立つ。しかし、回路に抵抗成分(おもに抵抗器による)とリアクタンス成分(おもにコイルやコンデンサーによる)を含む場合は、エネルギーを消費するのは抵抗成分だけであり、リアクタンス成分はエネルギーを消費しないので、回路の両端の電圧と、回路に流れる電流の積は電力を表さない。これは見かけの電力であり皮相電力とよんでいる。電力を皮相電力と区別する必要があるときは有効電力という。これに対して、純粋なリアクタンス成分のみが負荷の場合、電源と負荷の間を行ったり来たりして消費されない電力を無効電力とよぶ。有効電力を実数部とし無効電力を虚数部として複素数(実数と虚数単位で表される数)表示したものを複素電力といい、実数部の2乗と虚数部の2乗を加えて平方根をとったものが皮相電力である。電気的エネルギーでは、それが熱に変換される場合に限らず、たとえばモーターのように機械的エネルギーに変換される場合でも、その仕事率は電力である。
さらに電磁波のように、端子間の電圧や、導線を流れる電流も存在しない場合でも、電力は存在する。この場合は、電界と磁界のベクトル積が単位面積当りの電力の流れを表す。これはポインティング・ベクトルとよばれている。毎秒1ジュールの仕事率を1ワットと定めてある。
[布施 正・吉澤昌純]
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出典 東京電力ホームページ電気・電力用語について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報
…とくに周波数の大きい(ふつうは数百Hz以上)場合は高周波電流と呼ぶ。電力会社から送電される電流はおもに交流で,その周波数は関東では50Hz,関西では60Hzである。電気伝導変位電流
[電流の諸作用]
電流のもつおもな作用には化学作用,熱作用,磁気作用がある。…
…仕事率(工率),電力あるいは放射束の単位で,記号はW。1W=1J/sである。…
※「電力」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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