電流の流れやすさを示す物性値の一つ。導体中の定常電流密度をi、電場をEとしたとき、オームの法則がi=σEと表される場合のσを電気伝導率という。導電率、電気伝導度、伝導率ともよぶ。単位はジーメンス毎メートル(S/m)。σは比抵抗(抵抗率)ρの逆数でもある。導体が等方性である場合、σはスカラーだが、導体が異方性である場合、σはテンソルになる。一般に純金属では電気伝導率は大きな値をもち、ある種の金属では絶対温度の数K以下の極低温(臨界温度)で電気伝導率が無限大になる超伝導を示す。半導体では電気伝導率は金属に比べ、かなり小さい値を示す。
[山本将史 2022年4月19日]
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電気伝導度,導電率ともいう.物質の電気伝導性を表す量で,電気抵抗の逆数である.単に導電率というときは,比電気伝導率をさす場合が多い.
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…これをR=l/σSと表すと,σは導体の種類で決まる定数である。σをその物質の電気伝導率という。オームの法則を導体の形(長さや断面積)によらない式で表すと,次のようになる。…
…電位差をV,電極間の物質の長さをl,断面積をSとすれば,電流Iは, I=(σS/l)Vによって与えられる。ここでσは物質によって決まる固有の量で,電気伝導度electric conductivity(電気伝導率,導電率などともいう)と呼ばれ,比抵抗の逆数に等しい。物質中の電場V/lが小さいときには,σは一定となり電流Iと電位差Vは比例する。…
※「電気伝導率」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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