電解質溶液や融解電解質などのイオン伝導体に電流を通じて化学変化をおこさせることを電気分解といい、電気分解を行う装置を電解槽という。電解反応は、電気的エネルギーを加えることにより、普通の化学反応ではおこりえない自由エネルギーの増加する反応もおこさせうる。しかし電解反応は二次元的に電極と電解液の界面近傍でおこり、反応に関係する量は、ファラデーの法則により電極と電解液の界面を通る電気量によって定まり、反応速度は電流密度によって調節できる。電流の流入する側の電極を陽極、流出する側の電極を陰極といい、陽極では酸化反応、陰極では還元反応がおこっている。電極には金属の精製やめっきのように溶解しさったり、あるいは析出物がある程度たまると取り換える一時的のものと、水電解や電解アルカリのように永久的に使用されるものとがある。なお、電解を維持するのに必要な電位差を分解電圧という。
[早川豊彦]
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…このような自発的には起こりえない反応に対し,外部から系に電気エネルギーを与えて,その反応を起こさせるのが電気分解で,電解と略称されることも多い。電気分解を行う装置が電解槽で,電解槽は陽極,陰極と呼ぶ二つの電極,電解液(電解質溶液あるいは融解電解質),および容器よりなる。ときには,陽極で生成した物質と陰極で生成した物質の混合を防ぐ目的で,隔膜を用いることもある。…
※「電解槽」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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