しも‐ばしら【霜柱】
〘名〙
① 地
表面に群がって立ち並ぶ細い氷の柱。土の中の
水分が毛細管作用でにじみ出て、
地表で凍り、氷の柱を
上方へ押し上げて成長する。主に冬の夜間に生じ、薄い土の層をかぶっていることが多い。《季・冬》
※新撰六帖(1244頃)一「谷ふかき岩屋にたてる霜はしらたか冬こもる栖なるらん〈
藤原光俊〉」
②
シソ科の
多年草。
関東地方以西、四国・九州の
山地に生える。高さ約六〇センチメートル。茎は四角柱状。葉は短い柄をもち対生し、葉身は長さ八~二〇センチメートルの狭卵形で、先はとがり縁に
鋸歯(きょし)がある。秋、
茎頂および
上部の
葉腋(ようえき)から長さ六~九センチメートルの総状花序を出し、淡黄色の筒状唇形花を
片側に向けて開く。ゆきよせそう。しもばしらそう。〔物品識名拾遺(1825)〕
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デジタル大辞泉
「霜柱」の意味・読み・例文・類語
しも‐ばしら【霜柱】
1 冬の夜、土中の水分が地表にしみ出て凍結してできる、細い氷柱の集まり。関東地方の赤土にできやすい。《季 冬》「貧乏の庭の広さよ―/虚子」
2 シソ科の多年草。山地の木陰に生え、高さ約60センチ。秋、茎の上部の葉のわきから穂を出し、白い唇形の花を総状につける。冬に枯れた茎に氷柱ができる。雪寄せ草。
[類語]霜・薄霜・初霜・別れ霜・早霜・遅霜・降霜・晩霜・露霜
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霜柱
しもばしら
土の中の水が土の粒子のすきまを通って上昇して地面に達し、そこで冷えて氷となったもの。地中の水が凍結したものであるから、空気中の水蒸気が凍った霜とはまったく成因が異なる。水が土の中を上昇するのは、土の粒子のすきまの毛管作用によるもので、氷は下方からだんだん上方へ伸びてゆき、氷の柱となる。氷柱はほぼ鉛直に立ち、その長さはときには10センチメートルを超える。
霜柱が発生するのは、地表面の温度が0℃以下の場合である。しかも地中の温度は0℃以上でなければならない。水が毛管作用で上昇することが必要であるからである。土質によって、できたり、できなかったりする。一般に砂地や粘土にはできにくく、関東地方に多い赤土にはできやすい。霜柱は農作物を枯らすことがあり、また霜柱が融(と)けると、ひどいぬかるみをおこす。
[大田正次]
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霜柱
しもばしら
ice column; frost pillars
地中の水分が地面にしみだして凍ったもの。空気中の水蒸気が地物に昇華してできた霜とは別種。霜柱の生成には適度な冷却と土壌の水分のほかに適当な土質が必要で,地面近くの気温が 0℃以下,下の地中の温度が 0℃以上,土壌の含水量が 30%以上の場合に発生しやすい。雨降りのあとのように地面に水が多すぎると結氷して霜柱にならない。日本での霜柱の分布と季節は,北日本や中部の山岳地帯で 11月~4月,関東東部で 12月~3月。特に関東地方の赤土は霜柱に適した土質で発生頻度が高い。寒冷地では地中の霜柱によって土地が凍上を起こし,建物や鉄道線路を持ち上げて被害をもたらす。
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しもばしら【霜柱 ice columns】
直径2~3mm,長さ数mmから数cmの細い氷の柱が密集して地面からのびたもの。表面に薄い土の層をのせている場合が多い。関東地方の赤土によく成長するので有名である。霜柱は地中の水が細かい土の粒子の間の隙間を毛細管作用で上がってゆき,0℃の地面にとどいたときに凍ったものである。氷の上端に土の層をのせて,下方は氷の柱になっていることから,氷は根元から成長して本体を押し上げるようにして上方に発達したものであることがわかる。
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霜柱【しもばしら】
冬の夜,湿った地面にできる細い氷柱の集り。氷柱はふつう直径2〜3mm,長さ数cm程度。地中から毛管現象によってしみ出してくる水分が凍ってできるもので,冷えすぎない(−10℃くらいまで)ことが必要。関東地方の赤土に最もできやすく,砂地や粘土にはできない。→凍上
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霜柱 (シモバシラ)
学名:Keiskea japonica
植物。シソ科の多年草,園芸植物
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