面舵(読み)オモカジ

デジタル大辞泉 「面舵」の意味・読み・例文・類語

おも‐かじ〔‐かぢ〕【面×舵】

船首を右に向けるときの舵の取り方。「面舵いっぱい」⇔取りかじ
右舷うげん
[類語]操舵取り舵舵を取る運転操作操縦運航運行走行通行交通操る

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精選版 日本国語大辞典 「面舵」の意味・読み・例文・類語

おも‐かじ‥かぢ【面舵・面楫・面梶】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 船の操縦で船首を右へ回すこと。また、右へ回頭するように舵を取ること。⇔取舵(とりかじ)
    1. [初出の実例]「取梶・面梶取合せて、片帆にかけてぞ馳(はせ)たりける」(出典太平記(14C後)七)
  3. 船尾から船首に向かって右側の船ばた。右舷。⇔取舵(とりかじ)
    1. [初出の実例]「トリカヂ vomocagini(ヲモカヂニ) ハセナラウデ ユクホドニ」(出典:天草本平家(1592)四)
  4. 船の進行方向に対して右の方向をいう船方言葉。
    1. [初出の実例]「硫黄の嶋を風下によぎて、をもかぢの方の二三の嶋をはなれず乗べし」(出典:元和航海書(1618))

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百科事典マイペディア 「面舵」の意味・わかりやすい解説

面舵【おもかじ】

船の進行方向に対し右へ船首を向けるための操舵。→取舵

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世界大百科事典(旧版)内の面舵の言及

【舵】より

…また航洋船では,船を所定の方位に向けて航行させるよう自動的に舵を操作する自動操舵装置をもつのがふつうとなっている。なお,船では,船の進む方向に向いて,船首を左に向ける舵の取り方を取舵,反対に右に向けるときを面舵と呼んでいる。自動操舵装置【藤野 正隆】
【飛行機の舵】
 飛行機には姿勢や向きを変えるため,操縦によって動く舵がいくつか付いている。…

※「面舵」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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