鞠唄(読み)まりうた

精選版 日本国語大辞典 「鞠唄」の意味・読み・例文・類語

まり‐うた【鞠唄・毬唄】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 童歌(わらべうた)の一つ。子どもが手まりを突いて遊ぶ時に歌う歌。手まり歌。《 季語・新年 》
    1. [初出の実例]「まりうたをつけて御用はどふづかれ」(出典:雑俳・柳多留‐七(1772))
  3. 歌舞伎下座音楽の一つ。三味線と唄でにぎやかな正月の気分を表わす。世話狂言の町家の場の幕明きや人物の出入りに用い、歌は「ひとつとや一夜明くれば」の数え唄、武家屋敷風の場では「先づ初夢に一富士を描く扇の末広や」など、いずれも二上がりで歌う。
  4. 歌舞伎所作事・長唄京鹿子娘道成寺」の「恋の分けざと」以下の一節などの手鞠を突く振りを見せる部分の称。
    1. [初出の実例]「鞠唄通り神楽にて幕明く」(出典:歌舞伎・富士三升扇曾我(生立曾我)(1866)二幕)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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