頤を解く(読み)オトガイヲトク

デジタル大辞泉 「頤を解く」の意味・読み・例文・類語

おとがい・く

《「漢書匡衡伝から》あごを外すほど大きな口を開けて笑う。大笑いをする。
「いまだその詞を出ださざるに、万人の―・く」〈新猿楽記
[類語]笑う笑止千万ばかばかしい馬鹿らしい馬鹿臭い詰まらない馬鹿愚か愚かしい阿呆らしい阿呆臭い下らない馬鹿げる愚劣無思慮ぶしりょ無考え浅はか浅薄せんぱく軽はずみ軽率笑い事笑止片腹痛い噴飯物噴飯笑い大笑い高笑い哄笑爆笑呵呵大笑抱腹絶倒笑い崩れる笑いける笑い転げる吹き出す腹の皮をよじ腹の皮を腹を抱える御中おなかを抱える愚にも付かぬへそで茶を沸かすへそ茶聞いてあきれるちゃんちゃらおかしい微笑む笑む笑い飛ばす笑いさざめく嘲笑あざわら薄笑うせせら笑うほくそ笑むにこつくにたつくにやつく若気にやけやに下がる相好を崩す目を細める一笑に付す

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精選版 日本国語大辞典 「頤を解く」の意味・読み・例文・類語

おとがい【頤】 を=解(と)く[=はずす・=放(はな)つ]

  1. ( あごをはずすの意から ) 大きな口をして笑う。大笑いする。あごをはずす。
    1. [初出の実例]「都人士女之見者莫頤断一レ腸」(出典明衡往来(11C中か)上本)
    2. 「諸人、おとがひをはなちてわらひたるに」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一)
  2. 不審が晴れてうなずく。納得する。
    1. [初出の実例]「よう理がきこえて、人がうなづいてをとがいをといたぞ」(出典:玉塵抄(1563)一七)

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故事成語を知る辞典 「頤を解く」の解説

頤を解く

大きな口を開けて笑うこと。

[使用例] 円朝一人は、自然に人の頤を解かしめたので、客の笑うのも自然なら、自分の笑うのも自然であった[森銑三*三遊亭円朝|1965]

[由来] 「漢書きょうこう伝」に見えるエピソードから。紀元前一世紀の中国、前漢王朝の時代のこと。匡衡という学者は、貧しい中で人一倍、学問に励んでいました。特に儒教経典の一つ、「詩経」に対して熱心だったようで、ほかの学者たちは、「彼が来たときには、『詩経』の話はするな。彼が『詩経』について話を始めると、そのあまりの熱心さに、『人の頤を解く(聞く者は思わずあごの緊張を解いて、笑い出してしまう)』」と噂していた、ということです。

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