精選版 日本国語大辞典 「風呂敷」の意味・読み・例文・類語
ふろ‐しき【風呂敷】
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物品を収納したり、保存、携行するために用いられる、布製で方形のもの。わが国ではこれを平包(ひらつつみ)とよんで、古くから用いられた。絵巻物にも多くみられ、上刺(うわさし)がしてあって、破れないようにくふうされている。しかし平包は長期の保存や大きな物を収納するのには不便であるところから、その場合は唐櫃(からびつ)、長持(ながもち)が用いられていた。平包が風呂敷と名称を変えるようになったのは、室町時代末期、町風呂といわれる銭湯ができたことに起因する。
当時の入浴は、現代のように全裸では入らず、男も女も風呂褌(ふんどし)をして入ったが、脱衣場で平包の上で身じまいをするために、この方形の布を風呂敷とよぶようになった。徳川家康の形見分けの品を書いた駿府(すんぷ)徳川家形見分帳のなかに風呂敷があり、これが今日最古の資料ではなかろうか。元禄(げんろく)時代(1688~1704)になると、風呂敷のことを平包と称して両様に使っている。また品物を風呂敷で包んで、頭上にのせて行商して歩く「おちゃない」という職業さえあった。
風呂敷は、江戸時代も年代が下るにつれて、大小さまざまの種類ができ、四尺五寸(約136センチメートル)物は大風呂敷とよんだ。越後(えちご)屋、白木屋などの大店(おおだな)では、丁稚(でっち)、小僧たちの寝具は、みな大風呂敷に包んで始末をし、また貸本屋、眼鏡直し、しょい呉服などは大風呂敷で行商して歩いた。小さな風呂敷は、各家庭での買い物に利用された。風呂敷の材料は木綿が主であるが、なかには縮緬(ちりめん)、朱子(しゅす)類なども用いられた。明治以降、鞄(かばん)類や手提げ袋、信玄袋などが普及するにつれて風呂敷への需要は減退しているが、携行に便利なところから、その利用度はまだ高い。
[遠藤 武]
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