風騒(読み)フウソウ

デジタル大辞泉 「風騒」の意味・読み・例文・類語

ふう‐そう〔‐サウ〕【風騒】

《「風」は「詩経国風、「騒」は「楚辞離騒。ともに詩文模範とされたところから》詩文を作ること。また、詩文を味わい楽しむこと。
「此関は三関の一にして、―の人、心をとどむ」〈奥の細道

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精選版 日本国語大辞典 「風騒」の意味・読み・例文・類語

ふう‐そう‥サウ【風騒】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「風」は「詩経」の国風、「騒」は「楚辞」の離騒のこと。ともに詩文の模範とされたところから )
  2. 詩歌文章を作ること。また、その作品
    1. [初出の実例]「或気骨彌高、諧風騒於声律」(出典文華秀麗集(818)序)
  3. 詩文を作り遊ぶような風流・風雅。また、そのような遊び。風流韻事。あるいは、風雅なおもむき。
    1. [初出の実例]「文々句々皆採摭古詞。故其躰有風騒之躰」(出典:江談抄(1111頃)五)
    2. [その他の文献]〔南史‐庾肩吾伝〕

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普及版 字通 「風騒」の読み・字形・画数・意味

【風騒】ふうそう(さう)

詩経の国風と楚辞の離騒。また、詩文。詩の源流。梁・沈約〔宋書、謝霊運伝論〕其の(へうりう)の始まるを源(たづ)ぬるに、同(とも)に風騷をとせざる(な)し。

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世界大百科事典(旧版)内の風騒の言及

【騒】より

…騒体の文学の受容とその特質については《文心雕竜(ぶんしんちようりよう)》弁騒篇に詳しい。後世,騒の概念をより広く用いて,古典的な文学作品を〈風騒〉(風は《詩経》の国風)と呼び,文学者を〈騒人〉と呼んだりもする。【小南 一郎】。…

※「風騒」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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