食わせ物(読み)クワセモノ

デジタル大辞泉 「食わせ物」の意味・読み・例文・類語

くわせ‐もの〔くはせ‐〕【食わせ物/食わせ者】

見かけはよいが、実質はよくない物。偽物。「とんだ―をつかまされた」
(食わせ者)表面はさりげなく見せて、実は油断のならない者。「あの男は相当の―だ」
[類語](1模造偽造偽作贋作贋造代作変造複製作り物偽物紛い物如何様いかさま擬古コピーイミテーションレプリカフェイク/(2詐欺師ペテン師いかさま師山師当たり屋凶漢凶賊奸賊海賊山賊賊徒賊子逆賊謀反人悪人悪者悪漢悪党悪玉悪女毒婦あくわる凶徒凶手人非人人でなし奸物曲者暴漢暴れ者暴れん坊暴徒荒くれ者ごろつきならず者地回りやくざ暴力団無頼漢無法者与太者ごろちんぴらあぶれ者

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精選版 日本国語大辞典 「食わせ物」の意味・読み・例文・類語

くわせ‐ものくはせ‥【食物・食者】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 食べさせるもの。たべもの。餌(え)
    1. [初出の実例]「虎にも土餌計(ばかり)にて、あくびばかりしておりしに、よいくはせ物が沢山にとれました」(出典:浮世草子・国姓爺明朝太平記(1717)四)
  3. 見かけはよいが、実質はさほどでないもの。表示と内容のちがうもの。まやかしもの。ごまかしもの。にせもの。
    1. [初出の実例]「中々以て元祿屋の喰はせ物と一緒になりませんナ」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉古物屋)
  4. 特に、人について、表面はさりげなく見せていて、その実、ゆだんのならない者。能力や身分、名などをいつわって他をだましている者。
    1. [初出の実例]「くはせもの三河あたりの旅芝居にたりや似たりようあやめさま」(出典:狂歌・狂歌糸の錦(1734))
  5. 素人を装っている売春婦
    1. [初出の実例]「さげ重、おどり子、つり物、くわせ物、しょふべん組」(出典:洒落本・契国策(1776)中)

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