精選版 日本国語大辞典 「食虫類」の意味・読み・例文・類語
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哺乳(ほにゅう)綱食虫目に属する動物の総称。この目Insectivoraの仲間は、単孔類、有袋類以外の哺乳類(真獣類)のうちでもっとも原始的とみられる食虫性の小獣類である。一般に体は小さく、なかにはコビトジネズミやトウキョウトガリネズミなど頭胴長4センチメートルほどの最小の哺乳類を含む。四肢は短小かつ蹠行(しょこう)性で、腹を地面につけるか、ほとんどつけるようにして歩く。指は普通5本で鉤(かぎ)づめを備え、吻(ふん)の前部は長く、口よりも前に突出していて可動性。目は小さく視力が弱く、耳殻が普通小さく、足の甲や尾には鱗(うろこ)がある。歯は普通44本(真獣類の基本型)、臼歯(きゅうし)には3~5個の鋭い突起があって、食物を切り砕くことはできるが、すりつぶすには適していない。大脳は小さく表面が平滑で、知能が低い。陰嚢(いんのう)がなく、しばしば総排出腔(こう)があり、胎盤は円盤状をしている。
オーストラリア区、南極大陸、南アメリカの中部以南を除き、ほとんど世界中に分布し、熱帯から寒帯、低地から高山までのあらゆる環境にすむ。樹上生のものはなく、地上または地下生、まれに淡水生。普通単独で生活し、昼夜とも活動して、昆虫、ミミズなどの無脊椎(むせきつい)動物を主食とする。ソレノドン、ブラリナトガリネズミなどは、獲物にかみついて顎下腺(がっかせん)から分泌する毒液を注入し、弱らせてとらえる。またトガリネズミは超音波を発して進路を探り、ハリネズミなどは冬眠する。
かつては、この類から他のすべての真獣類が分かれ出たと考えられていたが、近年では、この類から出たことが確かなのは皮翼目、翼手目、霊長目ぐらいしかなく、間接に関係があるのは有蹄(ゆうてい)目、食肉目などで、貧歯目、有鱗(ゆうりん)目、齧歯(げっし)目、ウサギ目などはこの類の子孫ではないと考えられるようになった。現生のものは、西インド諸島のソレノドン科(ソレノドン2種)、マダガスカル島とアフリカのテンレク科(テンレク、ポタモガーレなど33種)、アフリカのキンモグラ科(キンモグラ17種)、ユーラシアとアフリカのハリネズミ科(ジムヌラ、ハリネズミ17種)、アフリカ、ユーラシア、北アメリカ、南アメリカ北部のトガリネズミ科(トガリネズミ、ジネズミ、ジャコウネズミ、カワネズミなど約246種)、ユーラシアと北アメリカのモグラ科(モグラ、ヒミズ、デスマンなど約29種)、およびアフリカのハネジネズミ科(ハネジネズミ15種)の7科約360種がある。最後のハネジネズミ科は盲腸をもち、目がよく発達し、なかば指行性でカンガルーのように後肢で跳躍するほか、かかとの関節なども他の食虫類と違うので、近年ではウサギ目に近い独立の目とされることがある。
[今泉吉典]
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[1864~1915]ドイツの精神医学者。クレペリンのもとで研究に従事。1906年、記憶障害に始まって認知機能が急速に低下し、発症から約10年で死亡に至った50代女性患者の症例を報告。クレペリンによっ...
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