養子縁組(読み)ヨウシエングミ

デジタル大辞泉 「養子縁組」の意味・読み・例文・類語

ようし‐えんぐみ〔ヤウシ‐〕【養子縁組(み)】

親子血縁のない者の間に、親と嫡出子ちゃくしゅつしとの親子関係と同じ法律関係を成立させる法律行為

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共同通信ニュース用語解説 「養子縁組」の解説

養子縁組

実際の血縁にかかわらず親子関係を結ぶこと。/(1)/成人/(2)/未成年の孫、配偶者連れ子など―を養子にする場合は市区町村に普通養子縁組の届け出をするだけで成立し、実の親との法的な関係も残る。育児放棄など実親が子を育てることが困難な場合、その親子関係を終了させ、養子として戸籍上、養親の実子と同じ扱いにする特別養子縁組もある。2015年度の縁組総数は約8万2千件で、大半が普通養子縁組。

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精選版 日本国語大辞典 「養子縁組」の意味・読み・例文・類語

ようし‐えんぐみヤウシ‥【養子縁組】

  1. 〘 名詞 〙 実際上親子の関係のない者の間に、法律上親子と同様の親族関係を生じさせる法律行為。届出によって効力を生ずる。縁組。
    1. [初出の実例]「養子縁組の日より血族間に於けると同一の親族関係を生ず」(出典:民法(明治三一年)(1898)七二七条)

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百科事典マイペディア 「養子縁組」の意味・わかりやすい解説

養子縁組【ようしえんぐみ】

親とその嫡出子との間の親子関係と同一の法律関係を当事者の間に設定することを目的とする契約(民法792条以下)。家の継続,親の老後の生活保障,労働力の確保のために利用されてきたが,現在では子のための制度と考えられている。縁組は届出によって成立する。養親は成年者で養子より年長者でなければならない。養子となる者が未成年者でも15歳以上ならば単独で縁組ができ,15歳未満ならば法定代理人が代わって意思表示をする。配偶者のある者は配偶者とともにだけ縁組をすることができる。縁組によって,養親と養子との間に嫡出子としての法定親子関係を生ずる。養子は養親の氏を称する。1987年には,実方との血縁関係を消滅させる特別養子制度も導入された。→離縁国際養子
→関連項目縁組里親親族婿養子

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「養子縁組」の意味・わかりやすい解説

養子縁組
ようしえんぐみ

嫡出子以外の子供との間に,なんらかの手続きによって親子関係を設定し,子供としての権利義務を付与する制度。こうして設定された親子関係は実の親子関係と同じに扱われ,養子には実子のように財産相続や祖先祭祀の権利義務が発生し,一般に生家を離れて養父母家族の一員となる。こうした点において,名づけ親・成人親・仲人親などの儀礼的親子関係 (→親方子方 ) とは明らかに異なる。養子縁組の目的は次の3つに大別される。第1には孤児・私生子あるいは崩壊家族の子供たちに家族を与える意味,第2は子供をもたない親たちに社会的子孫を与える意味,そして第3に個人または夫婦に財産相続人を与える意味で行われる。第1の意味では,養子側の利益が優先され,第2,3の意味では養父母側の利益が優先されたものといえる。そのほか日本の養子には婿養子の形態がある。一般の養子では,子供の幼少年期に縁組が結ばれ,父方母方を問わず親族関係者から養子を取る傾向が強い。一方婿養子は,婚姻にあたってまず妻の両親と養子縁組するものであるが,実質的には妻方居住の婚姻形態である (→婿入り婚 ) 。婿養子となるのはおもに次男以下であったが,「小糠3合あれば婿に行くな」といわれるほど婿養子の社会的地位は一般に低かった。一般の養子にせよ婿養子にせよ,日本の養子縁組には,実の男子がいない場合に家族の後継者を獲得するという性格がきわめて強い (→入婿 ) 。

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世界大百科事典(旧版)内の養子縁組の言及

【血族】より

…本来は血のつながりのある者,すなわち血縁者の意味である。民法は,このほか,養子縁組によって発生する親族をも血族になぞらえて同じ扱いをしている(727条)。前者を自然血族,後者を法定血族とよぶ。…

【親族】より

…この場合,愛人男性は〈ジェニター〉であり,老女は〈女性父親female father〉として〈ペーター〉の地位におかれることになる。その他養子縁組が行われる諸民族の間では,実父母としての〈ジェニター〉・〈ジェニトリックス〉と,養父母としての〈ペーター〉・〈メーター〉が別人になることはいうまでもない。 このように諸民族の間では,それぞれ特有の認識やルールに応じて,〈系譜関係〉によって親族関係を形成するか,または系譜的な親子関係をモデル化するかたちで系譜的つながりによらず社会的絆を創出するか,により親族関係を形成している。…

【父母】より

…いま血のつながりがあるとされる父母を生物学的父,生物学的母,社会関係が設定される父母を社会学的父,社会学的母と呼んで両者を区別するとすれば,父母の意味についてより深い考察が与えられることになる。養子縁組は社会学的父母と生物学的父母とが異なる典型的な例であるが,このほかにも両者のずれはさまざまな形で認められる。まず母系社会においては,子どもが成長するにしたがって,子どもに対して法的権力をふるうのは生物学的父ではなくて,母の兄弟すなわち母方オジである。…

【離婚】より

…また,離婚後の子の帰属については,身分,時期,地方により取扱いが異なっており,当事者の協議にゆだねる場合,男子は父方,女子は母方に付ける場合,男女子ともに父方に付する場合などがあった。 なお,離縁ということばは,当時,養子縁組の解消にも用いられた。養子の離縁(養子差戻しともいう)は,武士の場合は,養方実方両家が双方熟談のうえ,理由(病気,心底にかなわないなど)を記して,養子差戻願,養子取戻願を差し出し,主君の許可を受けることで成立した。…

※「養子縁組」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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