精選版 日本国語大辞典 「饕餮文」の意味・読み・例文・類語
とうてつ‐もん タウテツ‥【饕餮文】
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中国、殷(いん)・周時代の、多くは青銅器に表現された怪獣文の一種。獣面紋とよばれることもある。青銅器のほか、骨角器、玉器などにもこの文様がみられることがあり、長期間にわたって愛用された文様である。この命名は宋(そう)代に始まる。呂大臨(りょたいりん)著の『考古図』(1092)の「呂氏春秋」に「周の鼎(てい)に饕餮を著す、首ありて身(からだ)なし、人を食(くら)っていまだ咽(いん)せず、害その身に及ぶ」とあることから名づけられたとあり、今日までこの名称が踏襲されている。この文様は新石器時代晩期の良渚(りょうしょ)文化期までたどれることが知られている。その妖気(ようき)を放つ面貌(めんぼう)は見る人をして畏怖(いふ)せしめるばかりでなく、神々の世界へと誘うごとくである。
[武者 章]
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…最大のものは1974年鄭州張寨発見品中の1点で通高1m,重さ86.4kgある。器腹上部と四脚に饕餮文(とうてつもん)をつけ器腹四周は乳丁文で飾る。青銅容器には他に鬲(れき),尊,觚(こ),斝(か),利器には斧,刀子,鉞,戈,鏃があり,これら青銅器はすべて薄造りで文様は饕餮文のほか弦文,夔文(きもん),雷文がある。…
…これらの神像は前の時期と比べて飛躍的に種類が増すが,それらは各種の野生動物から採用された身体部分(牡羊,水牛,野牛等々の角,ミミズクの毛角,虎の耳,象の鼻,毒蛇の頭,猫科の動物の足先,鳥の羽根,嘴等々)のいくつかをもって合成されたもので,後世,竜とか鳳凰とか呼ばれることになる類である。それらのうち青銅器の上で目だつ部分に大きく扱われる饕餮文は,支配者の族の遠い先祖と信ぜられた天神であり,小さく扱われるのは彼らに臣従する族の祖先神,その支配する土地の自然神の類と考えられる。この時期には図像の表現形式も多様化し,手のかかったものとなる。…
…神像や仏像が人間の姿を借りながら人間を超えた力を表すのと同様に,青銅器は神像や仏像の出現する以前に,物そのものの存在感を神的な力にまで高めたものである。青銅器に付せられた牛,虎,象,鴟鴞(しきよう),蟬などの文様は,古代のさまざまな神格を表すものとも考えられ,また各種の抽象的な図形も何か神秘的な力をもつものかもしれぬが,とくに饕餮文(とうてつもん)と呼ばれる大きな目玉を中心とした抽象的な獣面文は青銅器のごく初期からその萌芽があり,しだいに発達してつねに青銅器装飾の中心となっている。また雲雷文と呼ばれる一種の回線文は饕餮文や鳥獣文を浮きたたせる地文になっているが,古いものではむしろ饕餮の体軀そのものを形成している。…
※「饕餮文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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