日本大百科全書(ニッポニカ) 「首脳会談」の意味・わかりやすい解説
首脳会談
しゅのうかいだん
summit conference
戦時と平時とを問わず、国際社会における重要問題を協議するため、関係国の政府首脳が会談することをいい、巨頭会談、頂上会談ともよばれる。主要国の政府首脳が会談、協議することは古くからの外交慣例であるが、首脳会談という名称でよばれるようになったのは、第二次世界大戦中に連合国の首脳が戦争遂行、戦後協力などのためしばしば会談、協議して以来のことである。その最初のものは1941年8月、ニューファンドランドにおけるルーズベルト米大統領とチャーチル英首相の会談である。このとき、有名な「大西洋憲章」が合意された。このほかおもなものをあげると、アルカディア会談(1941~42)、ワシントン会談(1942)、カサブランカ会談(1943)、ケベック会談(第一次1943、第二次1944)などがあるが、なんといっても重要なのは米英ソ3国首脳がそろったテヘラン会談(1943)、ヤルタ会談(1945)、ポツダム会談(1945)の三つの会談である。戦後も、この種の東西両陣営による大型首脳会談はしばしば行われているが、1955年の米英仏ソ4国首脳によるジュネーブ巨頭会談が目だつ程度で、1961年のケネディ米大統領とフルシチョフ・ソ連首相のウィーン会談や、1967年のコスイギン・ソ連首相とジョンソン米大統領のグラスボロ会談もとくに大きな意義はなかった。また西側諸国の首脳会談、非同盟諸国の首脳会談など、開催が日常化し具体的成果に乏しい。
[藤村瞬一]