香春（読み）かはる

精選版 日本国語大辞典

かはる【香春】

1. 福岡県田川郡香春(かわら)町の旧称。上代、豊前国から大宰府への官道の宿駅が置かれた。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

香春
かわら

• 福岡県：田川郡
• 香春町
• 香春

香春岳を中心とした現香春一帯に比定される古代からの地名。古代は鹿春とも記され、香春岳の山頂には中世に香春岳（かわらだけ）城が築かれ、一（いち）ノ岳南麓には香春神社が鎮座している。「豊前国風土記」逸文（宇佐宮託宣集）によると、田河郡の北東杉坂（すぎさか）山（現香春町最北端の金辺峠付近）より流れ出て、「真漏河」（彦山川）に合流する河（金辺川）の瀬が清浄なことから「清河原の村」と号し、今は「鹿春の郷」と訛ったとある。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

改訂新版　世界大百科事典

香春［町］ (かわら)

福岡県北東部，田川郡の町。人口1万1685（2010）。北部は金辺峠を境に北九州市に隣接する。遠賀川支流の金辺川流域に沖積低地がひらけ，南部に低丘陵地が分布する。古くは〈かはる〉と呼ばれ，豊前国府から大宰府に通じる官道の宿駅があったところで，中世以降は市場町として栄え，江戸時代には小倉藩の奉行所が置かれた。1866年（慶応2）には第2次長州征伐で敗れた小倉藩が当地に移り，香春藩が成立した。中心産業は香春岳の良質の石灰石を原料とするセメント産業である。《炭坑節》にも歌われた香春岳はカルスト地形の奇峰で，筑豊県立公園に含まれる。ほぼ南北にJR日田彦山線が走り，南部を平成筑豊鉄道線が通る。
執筆者：松橋 公治

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

デジタル大辞泉プラス

香春

福岡県田川郡香春(かわら)町にある道の駅。国道201号に沿う。

出典　小学館