ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「馬越恭平」の意味・わかりやすい解説
馬越恭平
まごしきょうへい
[没]1933.4.20. 東京
明治・大正・昭和期の実業家。医者の二男に生まれ,大坂に出て商家に奉公。商才を見込まれて廻船業播磨屋の養子となったが,明治3(1870)年に益田孝と出会って影響を受け,1873年養家を去って益田の経営する先収会社へ入社した。同社は 1876年三井物産に引き継がれ,三井物産横浜支店支配人,常務理事などを歴任。社長の益田孝,副社長の木村正幹とともに「物産三人物」と呼ばれた。1896年三井を去り,以前から再建に尽力していた日本麦酒の社長に就任して販売の先頭に立ち,1906年同社と札幌麦酒(→サッポロビール),大阪麦酒が合併した大日本麦酒の社長に就任,「日本のビール王」と称された。また財界の元老として多数の事業会社に関係した。1898年衆議院議員当選,1924年貴族院議員勅選。
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