馴染む(読み)ナジム

デジタル大辞泉 「馴染む」の意味・読み・例文・類語

なじ・む【×馴染む】

[動マ五(四)]
人になれて親しくなる。また、物事場所になれて親しみをもつ。「都会生活に―・む」「土地言葉に―・む」
味わいや調子などが一つに溶けあう。ほどよく調和する。「家風に―・む」「足に―・んだ靴」
同じ遊女もとに通いなれる。なじみになる。
「はや四年も殿とは―・みまゐらせ」〈浮・一代女・三〉
[可能]なじめる
[類語]解け合う打ち解ける親しむファミリアフレンドリーアットホームドメスティック家庭的心安い水いらず親しい近しい気安いむつまじい親密懇意昵懇じっこん懇親別懇ねんご親愛和気藹藹あいあい仲良し気が置けない人なつこい取っ付きやすい懐こい如才ない調子がいいなれなれしい馴染み深いつうつうつうかあ息が合う反りが合う反り馬が合う気が合う肌が合う琴瑟きんしつ相和す打てば響く意気投合心を通わす心が通う胸襟を開く腹を割る心を開く心を許す気を許す肝胆相照らす心を交わす心を以て心に伝う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「馴染む」の意味・読み・例文・類語

な‐じ・む【馴染・昵】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 ( 「馴れ染む」の変化した語という )
  2. なれ親しむ。なれて親しくなる。また、場所や物事などになれる。なつく。
    1. [初出の実例]「ゆめにみてあかずさめけむ面影をうつつのちよになしみてし哉」(出典:兼澄集(1012頃))
    2. 「まだ二分時ならぬに、はや我に昵(なじ)み給へり」(出典即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉めぐりあひ、尼君)
  3. 遊里遊郭で、なじみ客となる。同じ遊女のもとに何回も通う。
    1. [初出の実例]「いまだなじみたる御事もなきに、いかにこなたにやるせなければとて」(出典:評判記・名女情比(1681)五)
  4. 味わい、物の調子などが一つにとけあう。ほどよく調和する。また、なれてしっくりする。
    1. [初出の実例]「しかし坐りこんだ姿勢がどことなく緊張して、あたりの空気になじまなかった」(出典:異形の者(1950)〈武田泰淳〉)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例