鬱陶しい(読み)ウットウシイ

デジタル大辞泉 「鬱陶しい」の意味・読み・例文・類語

うっとう‐し・い〔ウツタウ‐〕【鬱陶しい】

[形][文]うったう・し[シク]
心がふさいで晴れ晴れしない。気分が重苦しい。「難題をかかえて―・い気分だ」「―・い梅雨空
邪魔になってうるさい。煩わしい。「髪の毛がのびて―・い」
[派生]うっとうしがる[動ラ五]うっとうしげ[形動]うっとうしさ[名]
[類語](1憂鬱鬱鬱憂愁沈鬱メランコリー気鬱気塞ぎ陰鬱暗鬱鬱屈鬱結鬱気鬱悶鬱積抑鬱憂さ物憂いびんびんせつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心から哀切哀れ悲しい物悲しいうら悲しいせつないつらい痛ましい悲愴悲痛悲傷沈痛苦しい憂い耐えがたいしんどい苦痛やりきれないたまらないる瀬ない断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がるけだるいアンニュイ胸が裂ける胸が張り裂ける胸がつかえる胸が潰れる胸がつまる気を重苦しい滅入る気遣わしい塞ぐ塞ぎ込む消沈しょげるしょげ返る沈む悶悶もんもん/(2世話煩雑面倒めんどう厄介手数てかず・てすう複雑煩瑣難しいうるさい煩わしい面倒臭いややこしいやかましいくだくだしいこうるさい気詰まりしち面倒しち面倒臭いまがまがしいいまわしいいとわしいおぞましいうとましい忌む嫌い毛嫌い大嫌い食わず嫌いいけ好かない虫が好かないいや気に食わない犬も食わぬ憎い憎らしい憎たらしい憎憎しい苦苦しい腹立たしいいまいましい苦虫を噛み潰したよう苦り切る眉をひそめる鼻持ちならないうとむうとんずる嫌気忌避忌み嫌う煙たがる呪わしいきしょい気色が悪い気味が悪い気味悪い底気味悪い薄気味悪い鳥肌が立つ気持ち悪い虫唾むしずが走る反吐へどが出るきもいグロいおどろおどろしい不気味不快不愉快鼻に付くむかつくむしゃくしゃくしゃくしゃ不興不機嫌薄ら寒いうそ寒い胸が悪い胸糞が悪い心外苛立たしいうらめしいしかめっ面渋面しぶつらしかめるひそめるひそみ顰蹙ひんしゅく苦る辟易嫌がる嫌気が差すいと蛇蝎視だかつし唾棄倦厭けんえん迷惑身の毛がよだつ総毛立つ背筋が寒くなる背筋が凍るぞっと肌にあわを生じる冷汗三斗

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「鬱陶しい」の意味・読み・例文・類語

うっとう‐し・いウッタウ‥【鬱陶】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]うったう〘 形容詞シク活用 〙
  2. 気分や雰囲気がはればれしない。また、天候が悪くて重くるしい感じである。雨が降ったり、湿気が多かったりして身体や気持がすっきりしない。うっとしい。
    1. [初出の実例]「酒は胸にうったうしい物の有を、をしうしなわう為ぞ」(出典:両足院本山谷抄(1500頃)一)
    2. 「鬱陶敷(ウッタウシク)て、気が滅入(めい)って」(出典平凡(1907)〈二葉亭四迷〉五二)
  3. じゃまなものがあるようでわずらわしい。うるさい感じである。うっとしい。
    1. [初出の実例]「愚公と云者山にうちむいて不断いて山がつかゑてうったうしいと云てきらいにくんだ」(出典:玉塵抄(1563)一五)
    2. 「ええうったうしい、又来たか」(出典:歌舞伎・三人吉三廓初買(1860)大切)

鬱陶しいの派生語

うっとうし‐が・る
  1. 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙

鬱陶しいの派生語

うっとうし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

鬱陶しいの派生語

うっとうし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

うっとし・い【鬱陶】

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]うっと〘 形容詞シク活用 〙
  2. うっとうしい(鬱陶)
    1. [初出の実例]「しょしんなものぢゃほどに、おのおのうっとしうおもわしられうか、きつかいまるするほどに」(出典:捷解新語(1676)一)
    2. 「鬱としき京も忘れし青田かな〈谷水〉」(出典:俳諧・新類題発句集(1793)夏)
  3. うっとうしい(鬱陶)
    1. [初出の実例]「南の方には隰斯彌(しうしみ)が家の樹木共おほひかさなりてうっとし」(出典:仮名草子智恵鑑(1660)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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