鬼舞(読み)オニマイ

デジタル大辞泉 「鬼舞」の意味・読み・例文・類語

おに‐まい〔‐まひ〕【鬼舞】

民俗芸能一つで、鬼の面をつけてまう舞。大分県国東くにさき半島修正鬼会しゅしょうおにえで行われるもの、岩手県一帯に伝わる鬼剣舞おにけんばいなど、種類は多い。

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精選版 日本国語大辞典 「鬼舞」の意味・読み・例文・類語

おに‐まい‥まひ【鬼舞】

  1. 〘 名詞 〙 鬼の仮面をつけた者が登場する芸能。千葉県光町広済寺の盆狂言としての鬼来迎(きらいこう)、佐賀県神埼町仁比山(にいやま)神社の御田舞神事などで行なわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鬼舞」の意味・わかりやすい解説

鬼舞
おにまい

民俗芸能。鬼に扮(ふん)した者が、悪魔退散などの舞をつかさどる宗教的、民俗的な仮面舞。千葉県広済寺(こうさいじ)(山武(さんぶ)郡横芝光(よこしばひかり)町虫生(むしょう))の鬼来迎(きらいごう)も鬼舞と称しているが、これに登場する鬼は地獄で亡者を責めたて、病弱な者はこの亡者の役をすることで体がじょうぶになるという。大分県国東(くにさき)半島の修正鬼会(しゅしょうおにえ)の荒鬼は文字どおり荒々しく強い性格の鬼であるが、災払(さいはらい)鬼、鎮(しずめ)鬼の名でよばれるように悪災を払い、鎮める鬼である。三河(みかわ)(愛知県)の花祭に登場する鬼は、反閇(へんばい)という呪術(じゅじゅつ)的な足踏みを行って悪疫を払い、村人に幸福をもたらす。岩手県下に広く分布する鬼剣舞(おにけんばい)は、悪魔を追い払う躍動的なエネルギーをもつ。鬼舞の鬼は力強く荒々しい性格をもつ反面、悪魔を払い鎮める呪力を有し、村々に祝福をもたらす善鬼である。

高山 茂]


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