魔乳(読み)マニュウ

デジタル大辞泉 「魔乳」の意味・読み・例文・類語

ま‐にゅう【魔乳】

鬼乳

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典 第2版 「魔乳」の意味・わかりやすい解説

まにゅう【魔乳 witch’s milk】

生後数日間,新生児乳腺から乳汁様の液体分泌されることがある。これを魔乳といい,また奇乳ともいう。妊娠中,母体ではエストロゲンが多量に分泌され,これが乳腺を発達させるとともに,脳下垂体に作用して,乳汁分泌を促すプロラクチンの分泌を抑制している。ところが分娩とともに,エストロゲンの分泌が急速に低下し,プロラクチン分泌抑制がなくなるために,プロラクチン分泌が増加し,乳汁の分泌が開始される。妊娠中のエストロゲンは,胎盤を通じて新生児にも移行するが,出生とともにエストロゲン供給が停止するため,母体と同様な機構でプロラクチンが少量分泌されて,これが乳腺に作用して魔乳現象がみられるのである。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

百科事典マイペディア 「魔乳」の意味・わかりやすい解説

魔乳【まにゅう】

奇乳とも。男女とも生後4〜7日に乳腺はれ,ときに初乳様の液を分泌すること。母体からのエストロゲン,プロラクチンの影響によるものといわれ,特に害はなく,放置しても次第に消退する。無理にしぼり出したりすると乳腺炎を起こすことがある。

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

今日のキーワード

インボイス

送り状。船荷証券,海上保険証券などとともに重要な船積み書類の一つで,売買契約の条件を履行したことを売主が買主に証明した書類。取引貨物の明細書ならびに計算書で,手形金額,保険価額算定の基礎となり,輸入貨...

インボイスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android