魚を得て筌を忘る(読み)ウオヲエテウエヲワスル

デジタル大辞泉 「魚を得て筌を忘る」の意味・読み・例文・類語

うおうえわす

《「荘子外物から》魚を得てしまうと、魚とりの道具であるは不要になり忘れてしまうように、目的を達すると、それに役立ったものの功を忘れてしまうというたとえ。
[類語]喉元のどもと過ぎれば熱さを忘れる暑さ忘れてかげ忘る雨晴れてかさを忘る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

故事成語を知る辞典 「魚を得て筌を忘る」の解説

魚を得て筌を忘る

目的を達したあと、そのために役に立ったもののことは忘れてしまうことのたとえ。また、恩を忘れてしまうことのたとえ。

[使用例] 勤務で言えば、勤務のめに勤務をするのでない。勤務を方便にしている。いつ何どき魚を得て筌を忘れてしまうやら知れない[森林太郎*当流比較言語学|1909]

[由来] 「筌」は、魚をとるのに使う竹製の道具。「荘子―外物」に出て来るたとえ話から。「魚を得て筌を忘る(魚をつかまえてしまうと、そのために使った筌のことは忘れてしまう)」のと同じように、この世界の本当の意味を理解したら、そのために用いたことばは忘れてしまうべきだ、と述べ、この世の真実はことばを超えたところにあることを説いています。

〔異形〕ぼうせんうさぎを得てわなを忘る。

出典 故事成語を知る辞典故事成語を知る辞典について 情報

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