鳥獣戯話(読み)チョウジュウギワ

デジタル大辞泉 「鳥獣戯話」の意味・読み・例文・類語

ちょうじゅうぎわ〔テウジウギワ〕【鳥獣戯話】

花田清輝の小説集。昭和35年(1960)から昭和37年(1962)にかけて、「群像」誌に発表された3編の歴史小説「群猿図」「狐草紙」「みみずく大名」からなる。昭和37年(1962)刊行。第16回毎日出版文化賞受賞。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「鳥獣戯話」の意味・わかりやすい解説

鳥獣戯話
ちょうじゅうぎわ

花田清輝(きよてる)の小説集。1962年(昭和37)2月、講談社刊。雑誌『群像』に発表された『群猿図』(1960.6)、『狐(きつね)草紙』(1961.6)、『みみずく大名』(1962.1)の三話よりなる。兵法が重視され、織田信長天下統一がなされようとしていた歴史の転形期、その陰に生きたルネサンス的な人間の可能性を、反信長派の武田信虎(のぶとら)(無人斎道有)を中心に、『醒睡笑(せいすいしょう)』の著者安楽庵策伝(あんらくあんさくでん)、三条西実隆(さねたか)・九条植通(たねみち)らの貴族、宣教師カルモナ、カルモナの弟子信玄の六女松姫らにみ、その人間像を縦横に描いた歴史小説。第16回毎日出版文化賞を受賞、小説家としての地位を確立した。

[石崎 等]

『『筑摩現代文学大系71 花田清輝他』(1978・筑摩書房)』

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デジタル大辞泉プラス 「鳥獣戯話」の解説

鳥獣戯話

花田清輝による著作。1962年刊行。同年、第16回毎日出版文化賞受賞。

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