( 1 )「隋書‐倭国伝」には日本の鵜飼が世界最古のものとして記録されている。民間でも広く行なわれたが、「古事記」には鵜飼によって捕った魚を進献するという服属儀礼が記され、鵜飼部が魚を献上する職として登場、令制下では宮内省大膳職に鵜飼が属するなど、宮廷儀礼の一環として位置づけられた。
( 2 )江戸時代には諸藩が鵜飼を保護し鵜匠制度も確立した。明治以後は、皇室の御漁場として保護された岐阜の長良川(現在も宮内庁の保護下にある)以外は、九州など一部に観光用として名残をとどめているにすぎない。
能の曲名。五番目物。鬼物。古作を世阿弥が改作。前ジテは鵜飼いの老人,後ジテは地獄の鬼。旅の僧たち(ワキ,ワキツレ)が甲斐の石和(いさわ)川に赴く。鵜飼いの老人が来かかるので言葉を掛けてみると,僧の一人が前に接待を受けた宿の老人だった。老人は,実は自分はすでに死んで地獄に落ちている者だと打ち明け,殺生禁断の場所で鵜を使ったのが見つかり,川に沈めて殺されたのだと物語る。そして罪滅ぼしのためにといって,生前そのままに鵜飼いをして見せるが(〈鵜ノ段〉),やがて闇の中へ消え去る。僧が小石に法華経の文字を記して弔うと,地獄の鬼が現れ,一僧一宿の功徳と法華の力で老人は成仏したと告げ,この経を賛美する(〈ロンギ〉)。鵜ノ段を中心とする素朴で古風な構成の能である。
執筆者:横道 万里雄
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