黒柿(読み)クロガキ

デジタル大辞泉 「黒柿」の意味・読み・例文・類語

くろ‐がき【黒柿】

カキノキ科の常緑高木。台湾・フィリピンなどに分布心材暗紫色で堅く、黒檀こくたん同様に建築・工芸用に珍重される。台湾黒檀。
[類語]富有柿次郎柿平核無甘百目甘柿渋柿

くろ‐がい【黒柿】

くろがき」の音変化。
蘇芳すはう、―、唐桃からももなどいふ木どもを」〈宇津保・吹上上〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「黒柿」の意味・読み・例文・類語

くろ‐がき【黒柿】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 柿の木の心材が暗紫色のものをいう。毛柿に多く、俗に黒檀(こくたん)と称して建築や工芸材として珍重する。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「黒柿の机の清気なる二つを立たり」(出典:今昔物語集(1120頃か)二六)
  3. 植物けがき(毛柿)」の異名
  4. 植物「ときわがき(常磐柿)」の異名。
  5. 植物「まめがき(豆柿)」の異名。
  6. 染色の名。黒柿の材のような黒色の縞をいう。
    1. [初出の実例]「染やうの古風は、木瓜、または左まきに、上もんに桐菊などを染め、裾と髪のあたる所を黒(クロ)がきにして用ひ来る」(出典:万金産業袋(1732)四)
  7. 紅がかった納戸色。紅納戸。紅消し鼠。
    1. [初出の実例]「紅けし鼠、古名くろがき、また紅なんどともいふ」(出典:手鑑模様節用(1789か)上)

くろ‐がい【黒柿】

  1. 〘 名詞 〙くろがき(黒柿)」の変化した語。
    1. [初出の実例]「くろがいの骨に、朽葉(くちば)のかたびらかけたる几帳ども」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「黒柿」の解説

黒柿 (クロガキ)

植物。カキノキ科の常緑高木。トキワガキの別称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の黒柿の言及

【コクタン(黒檀)】より

…おもな産地はインド~インドシナ,スリランカ,フィリピン,スラウェシ,アフリカ熱帯である。日本のカキやマメガキなどの心材にも黒色の縞模様が認められることがあり,これを〈黒柿〉といって装飾用材として珍重する。【緒方 健】。…

※「黒柿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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