精選版 日本国語大辞典 「鼯鼠」の意味・読み・例文・類語
ももんが【鼯鼠】
① リス科モモンガ属の哺乳類。体長一五~二〇センチメートル。ムササビに似て体側に飛膜をもつが、小形で、尾は上下に扁平で長い。体毛は柔らかく、背面は灰色または褐色で腹面は白い。夜行性で、木から木へ飛んで昆虫や木の実を食べる。滑空距離はふつう八メートルぐらいであるが三〇メートル以上飛ぶ場合もあるという。シベリアから日本にかけての山地の森林に分布。日本には本州以南にニホンモモンガ、北海道にエゾモモンガの二種が生息する。「むささび」と混同していわれる場合がある。もみ。ももんがあ。ももが。《季・冬》 〔随筆・本朝世事談綺(1733)〕
② =ももんがあ②
※俳諧・双子山前集(1697)「妾に逢ふ夜妻をももんぐは」
むささび【鼯鼠】
〘名〙 (古くは「むざさび」とも) リス科の哺乳類。外形はリスに似て、体長三〇~五〇センチメートル。手足間の体側に皮膜がよく発達し、これを広げて枝から枝へ飛び、一〇〇メートル以上も滑空できる。尾は円筒状で、太くて長い。背面は灰褐色、赤褐色などで下面は白く、ほおに白斑がある。昼は樹木の空洞などで眠り、夜活動して果実や木の実、葉などを食べる。日本では本州以南の各地の森林に分布。類似種にモモンガがある。ばんどり。かおじろむささび。ほおじろむささび。のぶすま。もみ。ももんが。おかずき。《季・冬》
※万葉(8C後)六・一〇二八「ますらをの高円山に迫めたれば里に下り来る牟射佐毗(ムザサビ)そこれ」
ももが【鼯鼠】
〘名〙 (「ももぐゎ」とも表記) =ももんが(鼯鼠)①〔大和本草(1709)〕
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