大腸のなかの結腸に属し、その最下端にあたる部分で、上方は下行結腸に続き、下方は直腸になる。位置、長さには個体差があるが、長さは約45センチメートルほどである。正常では骨盤内にあるが、腹腔(ふくくう)内の場合もある。左大腰筋の前方で小骨盤縁から始まり、第3仙椎(せんつい)あたりで正中線に向かって大ざっぱなS字を画いて彎曲(わんきょく)し、直腸に終わる。完全に腹膜に包まれているから、S状結腸間膜をもち、骨盤壁に結合されているが、可動性がかなり大きい。前方には迂曲(うきょく)した小腸があり、これによって、男性では膀胱(ぼうこう)、女性では子宮と隔てられている。糞便(ふんべん)が停滞しやすい部分で、便秘による堅い刺激で疼痛(とうつう)がおこることがある。また、S状結腸炎をおこすこともある。とくに長くて移動性の大きいS状結腸はS状結腸過長症といい、S状結腸捻転(ねんてん)症の原因ともなる。
[嶋井和世]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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