CRISPR/Cas9

英和 用語・用例辞典の解説

CRISPR/Cas9

クリスパー・キャス9 (=Clustered Regularly-Interspaced Short Palindromic Repeats/Cas9: クリスパーは、DNA上の部位の名前で、石野良純・九州大教授が最初に発見。「クリスパー・キャス9」は、遺伝子を切る「はさみ」の役割を持つ酵素で、狙った位置でDNAを切り、遺伝子を壊したり追加したりする技術。農水産物の品種改良や難病の治療研究、創薬などに幅広く活用されている。ただし、人の受精卵の遺伝子を改変し、望ましい能力や容姿を備えた「デザイナー・ベビー」の誕生につながるといった生命倫理上の問題などが指摘され、世界各国で規制が進んでいる。⇒genome editing, genome editing tool)

CRISPR/Cas9の用例

CRISPR/Cas9 is a bacterial immune system which has been adopted for genome editing in mammalian cells.
クリスパー・キャス9は、哺乳動物の細胞のゲノム編集に採用されている細菌性免疫システムだ。

“CRISPR/Cas 9” tool for genome editing called “genetic scissors” was developed by two female winners of the 2020 Nobel Prize in Chemistry.
「遺伝子のはさみ」と呼ばれる遺伝子編集技術の「クリスパー・キャス9」は、2020年のノーベル化学賞を受賞した2人の女性が開発した。

The genome editing technology of CRISPR/Cas9 brought revolutionary changes to the life sciences and holds the promise of treating inherited diseases, but it has also sparked concerns that human beings could too easily manipulate the genetic makeup of living things.
クリスパー・キャス9のゲノム編集技術は、生命科学に大きな革命をもたらし、遺伝性疾患の治療にも期待が持てるが、その一方で人間が生物の遺伝子構造をあまりにも安易に操作してしまうのではという懸念も招いている。

出典 日外アソシエーツ「英和 用語・用例辞典」英和 用語・用例辞典について 情報

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