知恵蔵
「(改正)建築基準法」の解説
(改正)建築基準法
建築基準法は建築物に関する最低限の基準を取り決めた全7章106条からなる法律であり、戦前の市街地建築物法を前身とする。1950年の制定・施行以来これまでにも度々改正されてきたが、2006年6月21日には、(1)建築確認・検査の厳格化、(2)指定確認検査機関の業務の適正化、(3)建築士等の業務の適正化及び罰則の強化、(4)建築士、建築士事務所及び指定確認検査機関の情報開示、(5)住宅の売り主等の瑕疵(かし)担保責任の履行に関する情報開示、(6)図書保存の義務付け等、多岐にわたって条文が改正され、翌07年6月20日に施行された。この大幅改正は、05年に大きな社会問題となった構造計算書偽造事件を踏まえて、その再発防止を図ることを大きな目的としているが、建築確認申請の手続きが以前より煩雑になったため、事務作業が滞り、住宅の新規着工が激減するなどの弊害が表れた。工務店などへの経済的影響が懸念されるため、国土交通省は金融機関への返済条件緩和を働きかけているが、今後も供託金などによる消費者負担の増加、木造住宅の画一化、森林破壊などによる環境悪化などが不安視されており、関係者の間では条文の見直しを求める声が少なくない。
出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報