《五十二病方》(読み)ごじゅうにびょうほう

世界大百科事典(旧版)内の《五十二病方》の言及

【医療】より

…巫医が単なる祈禱師であったか,薬物なども併用したかは,漢時代の方士などとの関係とともに明らかでない。病気の治療に用いたまじないの例は馬王堆3号漢墓(前168築造)から出土した《五十二病方》のなかなどに見ることができる。まじないの類は時代によっては宗教行為とも結びついて盛んになり,後漢末から六朝時代には太平道や五斗米道(ごとべいどう)などの運動のなかで護符を飲むことが流行した。…

【漢方薬】より

…その後,中国医学の体系化が進み,春秋末期から戦国時代を経て,秦,前漢に至る時期までには多くの文書が出現している。近年,馬王堆漢墓で発掘された,いわゆる《五十二病方》には52種の病気に対する約280種の処方と約240品の薬物が記されていて,当時の中国医学が高い水準にあったことを示している。中国の,気候風土の厳しい北方領域では鍼灸(しんきゆう)の医学が発達し,温暖で動植物の種類の多い南方領域ではそれらを薬物として活用する湯液医学が進歩したといわれている。…

【中国医学】より

… すなわち《素問》や《霊枢》の経脈説は馬王堆の《陰陽十一脈灸経》をさらに発展させたもので,気,血などの考えも導入して,陰陽説や五行説の立場からさまざまの理論付けを試みている。馬王堆の《五十二病方》は処方集であるが,武威の医簡に比べるとはるかに未発達の段階にあり,この2書が書かれた200年ほどのあいだに非常に大きな発達のあったことがわかる。また薬物についての知識が本草書という形にまとめられたのも後漢の前半ごろの可能性が強い。…

※「《五十二病方》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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