「欧州共通の家」構想(読み)おうしゅうきょうつうのいえこうそう(英語表記)European Common House

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「「欧州共通の家」構想」の意味・わかりやすい解説

「欧州共通の家」構想
おうしゅうきょうつうのいえこうそう
European Common House

1987年,ソ連書記長ゴルバチョフがヨーロッパの新政治秩序,平和安全システムとして打出した西欧向け外交スローガン。 75年7月のヨーロッパ安全保障協力会議におけるヘルシンキ宣言が,この構想土台となっており,すべてのヨーロッパの国が政治的・経済的・軍事的な歴史的分断状態を克服し,一つの共同体として「共通の家」をつくるべきだとする考え方である。この背景には,第2次世界大戦後の冷戦構造を変革すべきだとの認識がある。さらに 92年に予定されていたヨーロッパ共同体 EC統合をふまえ,ソ連の中心課題である経済再建を図るねらいもあった。実際には,89年の東欧革命から 91年のソ連邦解体へと,ゴルバチョフの予想をはるかに上回るスピード規模で現実が進展することとなった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

発見学習

発見という行為の習得を目指す学習。または,発見という行為を通じて学習内容を習得することを目指す学習。発見学習への着想は多くの教育理論に認められるが,一般には,ジェローム・S.ブルーナーが『教育の過程』...

発見学習の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android