〓如仮名法語(読み)れんにょかなほうご

改訂新版 世界大百科事典 「〓如仮名法語」の意味・わかりやすい解説

如仮名法語 (れんにょかなほうご)

本願寺第8世蓮如が,真宗教義を平易な文体でかな書きにした法語をいう。消息,御書,宝章,勧文,勧章ともいわれ,東本願寺では〈御文(おふみ)〉といい,西本願寺では〈御文章(ごぶんしよう)〉の雅称で呼んでいる。蓮如が〈千の物を百にゑり,百のものを十にゑり,十のものを一にゑりすぐりて〉,教義の要をわかりやすく説いたのが〈御文〉で,いずれも書簡文の形式をとった一紙法語である。5帖80通と帖外御文約200通が伝承され,今日なお真宗寺院,門徒の勤行に拝読されている。〈御文〉の集録は,蓮如在世中すでに下間蓮崇や赤尾の道宗によって行われ,蓮如室蓮能尼,実如もこれを書写している。5帖の〈御文〉は,実如の息円如がこれを編さんし,本願寺第10世証如が天文年間(1532-55。一説に1537)はじめてこれを版に付した。世にこれを証如版御文と呼ぶ。爾来,本願寺各列祖は証判御文を開版し,流伝につとめた。
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