あやなす

精選版 日本国語大辞典 「あやなす」の意味・読み・例文・類語

あや‐な・す

  1. 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
  2. 美しく飾る。美しくいろどる。あやどる。
    1. [初出の実例]「絢は論語にあやなすとよんだぞ。あやなすと云は、画をかくに色々えのぐを以ていろどるぞ」(出典:詩学大成抄(1558‐70頃)三)
    2. 「彩(アヤ)なす雲にうちのりて」(出典若菜集(1897)〈島崎藤村〉二つの声)
  3. 巧みにあつかう。うまくあしらう。まるめこむ。あやつる。
    1. [初出の実例]「女郎のあやなすといふ事あり。是客たる物の心を付(つく)へき事なり」(出典:洒落本・魂胆惣勘定(1754)中)
    2. 「左様さネと生返事、何方(どっち)付かずに綾なして」(出典:浮雲(1887‐89)〈二葉亭四迷〉一)
  4. すかして取る。だまし取る。
    1. [初出の実例]「かあいそうに〈略〉色をしかけて、かんざしをあやなすといふ事がある物か」(出典:洒落本・当世穴知鳥(1777)土手のゆききの附見立)
  5. こぼす。したたらす。流す。零(あや)す。
    1. [初出の実例]「血をあやなさば社参のけがれ」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)二)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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