ありべかかり(読み)アリベカカリ

デジタル大辞泉 「ありべかかり」の意味・読み・例文・類語

あり‐べかかり

[形動ナリ]《「あるべきかかり」の音変化》
通り一遍であるさま。型どおり。おざなり。
「親を養ふこと―にて、さのみ孝行とは云ひ難し」〈浮・今様廿四孝〉
ありのまま。
「―に言ふことは善き者なり」〈都鄙問答・二〉
手当たりしだい。やたらむしょう。
「それ煙草盆たばこぼん、おさかづきと、―に立ち騒ぐ」〈浄・曽根崎

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ありべかかり」の意味・読み・例文・類語

あり‐べかかり

〘名〙 (形動) (「あるべきかかり」の変化した語)
① 形式的であるさま。おざなり。紋切り型。世間なみ。ありべいかかり。あるべかかり。
浮世草子・今様二十四孝(1709)一「人の親を養ふ事ありべかかりにて、さのみ孝行とは云ひ難し」
② 尋常。ありのまま。
※都鄙問答(1739)二「色々と云ひまはすは宜(よろし)からざる者なり。有りべかかりに言ことは善(よき)者なり」
③ 手当たり次第。やたらむしょう。
浄瑠璃曾根崎心中(1703)「なんと亭主(ていしゅ)久しいのと、のさばり上ればそれ煙草盆(たばこぼん)お盃(さかづき)と、ありべがかりに立さはぐ」

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