えくぼ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「えくぼ」の意味・わかりやすい解説

えくぼ
えくぼ / 靨

顔面に生じる皮膚のくぼみをいう。一般的には笑ったり、口角後方に引き上げたとき頬(ほお)にできるくぼみをいうが、頤(おとがい)や額(ひたい)にできる人もいる。頬の場合、口角の外側にある口角下制筋や笑(しょう)筋などが収縮してできる。笑筋は、えくぼ筋ともいう。笑筋は骨に付着しないで下層の筋膜におこり、皮膚の下を筋束をつくって走るが、皮膚に付着しているので皮筋(皮下筋)とよぶ。顔面の表情筋はすべて皮筋であり、顔のくぼみやしわをつくるが、とくに皮下に脂肪が多い柔らかい組織の部分に大きく作用する。えくぼが女性や子供によくできるのは、このためである。頸部(けいぶ)で下顎(かがく)から鎖骨あたりまで広がっている広頸筋は、頸部の筋膜と皮膚とに付着している皮筋で、口角を後方へ引いたり、下へ押し下げる働きをするが、同時に頸部に多数のしわをつくる。

[嶋井和世]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

排外主義

外国人や外国の思想・文物・生活様式などを嫌ってしりぞけようとする考え方や立場。[類語]排他的・閉鎖的・人種主義・レイシズム・自己中・排斥・不寛容・村八分・擯斥ひんせき・疎外・爪弾き・指弾・排撃・仲間外...

排外主義の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android