えみし

世界大百科事典(旧版)内のえみしの言及

【アイヌ】より

…シサムはアイヌ語で隣人の意)は,中国の中華思想の影響を受けて近世末まで蝦夷(えぞ)・蝦夷人と称した。ただし古代の蝦夷(えみし)は,主として奥羽地方以北の住人を指した語で,アイヌそれ自体を指した語ではない。また黒竜江(アムール川)下流域や樺太に居住するギリヤークほかの諸民族がアイヌ(樺太アイヌ)を〈クギ〉〈クイ〉と称したため,中国の文献では,元代には〈骨嵬〉,明代には〈苦兀〉〈苦夷〉,清代には〈庫野〉〈庫葉〉〈庫頁〉と記された。…

【蝦夷】より

…日本古代史上,東北日本に拠った土着の人たちをひろくさしたことば。ただしその呼称・内容は,時代・地域によって大きく異なり,その性格を一義的に規定することを困難にしている。また,アイヌとどうかかわるかもむずかしい問題である。このことばは,もともと政治的・文化的に〈中央〉を意味した朝廷に従わない人たち(まつろわぬ民),その意味で未開・野蛮な人たち(あらぶる人)をさす中華観念にもとづいているから,人種的観念であるアイヌか日本人かという議論の立てかたとは一致しないところがある。…

【蝦夷地】より

蝦夷の居住地,のちアイヌの居住地を指す。蝦夷観念の変化に伴い蝦夷地の地域概念にも変化がみられた。大化前代には中央政府の外に立ってこれと敵対関係にある人々をエミシと呼び,おもに〈毛人〉〈夷〉という文字をあて,その意味も〈あらぶる者〉〈まつろわぬ人々〉ということで,特定の地域に住む人々を指すものではなかったが,大化改新以降は,主として北越・奥羽地方に住む人々をエミシと呼ぶようになり,文字も〈蝦夷〉〈夷〉をあてるようになった。…

【俘囚】より

…日本古代において,捕虜になるか降伏して国家支配下に置かれた蝦夷(えぞ∥えみし)をいう。夷俘とも称された。…

※「えみし」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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