おろし(英語表記)fall wind

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「おろし」の意味・わかりやすい解説

おろし
fall wind

山から吹きおろす風。局地風一種。冬に関東地方中央部の利根川沿いの地域で吹く,乾燥した冷たい強風がその典型的な例。山の名前をつけて,それぞれの地域で,榛名おろし,赤城おろし筑波おろし六甲おろしなどと呼ぶが,厳密にはこれらの山から吹きおろす風だけではなく,広くその山麓で吹く冬の季節風をさすことが多い。外国ではバルカン半島西部のアドリア海沿岸に吹く北東風のボラ,フランスのローヌ川河谷に吹く北風ミストラルなどが有名。おろしの特徴は風が強いことで,秒速 50mをこえることもあり,農作物に著しい被害を与えることがある。日本のやまじはその代表である。

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