かしらん(読み)カシラン

デジタル大辞泉 「かしらん」の意味・読み・例文・類語

かしらん[終助・副助]

係助詞「か」に動詞「し(知)る」の未然形と打消しの助動詞「ず」の連体形の付いた「かしらぬ」の音変化》
[終助]かしら」に同じ。「何が言いたいのかしらん
「あれでもすむ事―」〈滑・浮世床・初〉
[副助]かしら」に同じ。
「毎日あきねへから帰りにはの、何―竹の皮へ買って来ての」〈滑・浮世風呂・二〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「かしらん」の意味・読み・例文・類語

か‐しら‐ん

連語〙 (「かしらぬ」の変化した語)
文末に付いて、終助詞的に用い、疑いや問いかけの気持を表わす。…だろうか。かしら。
歌舞伎傾城金秤目(1792)一番目「梶助めや峯平めは〈略〉女が首を野ざらしにかけたか知らん」
坊っちゃん(1906)〈夏目漱石〉一〇「さうして清が面白がる様なものはないかしらん、と考へて見ると」
② (「何」「どこ」「だれ」などに付いて)不定のものをいう場合に用いる。かしら。
滑稽本・浮世風呂(1809‐13)二「毎日商から帰りにはの、何かしらん竹の皮へ買て来ての」
[語誌](1)「かしらぬ」のうち「知らぬ」の語義が希薄になり江戸時代前期に疑問の意味を表わすようになった。相手に直接質問するのではなく、自分が知らないということを表わすことに中心があり、相手が答えられないことを聞いたり、話し手限りの発話で、疑いだけを表わしたりすることができた。
(2)明治時代に入ってから語形は「かしらん」、さらに「かしら」へと移行し、現代に至った。現代ではどちらかといえば女性らしい言い回しとなっている。

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