かぶき者

山川 日本史小辞典 改訂新版 「かぶき者」の解説

かぶき者
かぶきもの

江戸前期,江戸・京都などの都市を中心に活動した武士武家奉公人・牢人者などからなる反体制的分子。かぶき(傾き)とは偏った異様な行動や風俗をさすが,かぶき者の風体・歩き方・言葉などがそれにあたる。彼らは男としての意地面目を守りぬくことを信条とし,組を結成して集団化し,血判起請して仲間内の固い団結を誇るなど,幕藩権力による社会統制に反抗した。かぶき者の階層は本来武家奉公人が中心だが,旗本奴(やっこ)や町奴のように武士・町人層にも広く波及し,その風潮は公家社会にも浸透した。彼らは放火殺人や集団間での闘争をくり返すなど,社会治安を乱す存在であることから,きびしい取締りの対象となった。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

戒厳令

一般的には指定地域で、国の統治権の全部または一部を軍に移行し、市民の権利や自由を保障する法律の一部効力停止を宣告する命令。戦争や紛争、災害などで国の秩序や治安が極度に悪化した非常事態に発令され、日本...

戒厳令の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android