さゝめごと(読み)ささめごと

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「さゝめごと」の意味・わかりやすい解説

さゝめごと
ささめごと

室町時代の連歌論書。『私語』とも書く。心敬著。寛正4 (1463) 年紀州に下向中に,土地の連歌愛好者のために書き与えたもの。 58歳の作であるが,心敬の最も初期の著書。2巻。上巻がまず成り補遺として下巻が執筆された。のちに改訂整理を加えたらしく,草案本と改編本がある。内容は連歌の歴史,句作の法,風体変遷,修行方法,会席での作法など 60項にわたる。問答体で,古人の説や自己の意見などが具体的に記されており,技術よりも句を生み出す主体のあり方に重点がおかれている。和歌と連歌を同一視し,それがすなわち仏道修行に通じるとする心敬の考え方をよく表わしている。

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