しな布(読み)しなふ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「しな布」の意味・わかりやすい解説

しな布
しなふ

シナノキ(科木)樹皮を細かく裂き,糸に紡いで織った布。天然茶褐色で,感触は麻よりも粗い。古来農村の作業着,衣類穀物を入れる袋,酒や豆腐等のこし袋など,生活用品として幅広く使われてきた。現在はその特性をいかした帯やのれん帽子,かばんなど趣味の工芸品として生産されている。山形県鶴岡市や新潟県村上市でつくられ,「羽越しな布」として国の伝統的工芸品に指定されている。

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